「音符については理解したけれど、リズムの仕組みがわからない」
「リズム感がないから、むずかしい・・・」
安心してください。
今回も0からわかりやすく説明しています。
今回のテーマは「拍と拍子」です。
図に加えて、音声の資料も入れてわかりやすく解説しています。
「拍と拍子」は、
リズムを読むためには大切な要素になります。
また、「拍と拍子」がわかると、リズムを読むことが楽になります。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
という場合は
こちらの記事をご覧ください。
そのほか、楽譜に関する記事はこちらから
また、今回はむずかしい音楽用語を使って説明している部分が多いです。
わかりやすく説明していますが、
「わからないよ!」って場合はお気軽にお問合せください。
音符は拍の上で踊る
解説を考える上で「踊る」という表現が一番しっくりきたので、「踊る」という見出しをつけてしまいました。
リズムは音の長さを表す
さっそくですが、
一番大切な内容に入っていきましょう。
楽譜を読む上での基本として
・リズム (おとの長さを表す)
この2つがあります。
音の長さはすなわち「時間」ですね。
ここで疑問が生まれませんか?
そうなんです。
音符におけるリズムとは、相対的なものです。
となるだけで、厳密に時間が決められているわけではないので、
人によって演奏する速さが変わってしまいます。
「拍」という最小の単位
そこで、「拍」の登場です。
(はく と読みます)
下の楽譜を見てください
きらきら星の楽譜です
これに拍の要素が加わると、
こうなります。
楽譜ではオレンジ色で表しています。
音源ではトントンと鳴っているのが拍になります。
この楽譜の場合は「拍」の基準が4分音符になっているため、
になります。
そのため、2分音符は2拍分の長さになります。
また、本にはこのような説明が書いてあります。
音楽には、種々のリズムが使用されるが、それらは、単に雑多になんの秩序もなく使われるのではない。必ず、一定時間ごとに刻まれるところの拍という単位に乗って、リズムが作られるのである。
「音楽之友社・新装版楽典 理論と実習」より引用
むずかしい表現で書いてありますが、
ここだけしっかり押さえておきましょう。
メトロノームを活用して拍を感じよう
メトロノームは、拍を正確に刻んでくれる万能アイテムです。
リズムの練習をする時は、メトロノームを使ってみましょう。
これを「Tempo(テンポ)」と言います。
ポップスや、打ち込み音楽の世界ではBPMとも呼ばれます。
拍は集まると拍子になる
続いて「拍子」(ひょうし)の解説です。
拍に乗ることによって、リズムに最小限の秩序が生まれるわけであるが、それらをさらにまとめる(整える)役目をするものに拍子があり、近世の音楽ではほどんど必須のものとされている。
「音楽之友社・新装版楽典 理論と実習」より引用
書籍の説明にも、「必須のもの」と書いてあるように
私たちが普段聴く音楽はほとんど「拍子」という要素を含んでいます。
では、くわしく解説していきましょう。
拍子は拍を整理する
一定時間に刻まれる「拍」は集まることで、
「拍子」という考え方に変わります。
書籍からの引用文をのせておきます
拍子というのは、何拍ごとかに心理的な強点(力点)を周期的に設定して、拍の進行を整理・結合する組織である。
「音楽之友社・新装版楽典 理論と実習」より引用
この「拍子」というものは、拍を整理する役割を持っています。
この利点について個人的に思うところは
・メリハリができる
・ノリが生まれる
これだと思います。
メリハリとノリは拍子を知らなくても、
その人のリズム感などで表現できると思います。
逆に言えば、
と不安に思っている人でも「拍子」について理解できればリズム感を鍛えることができます。
「拍」の強弱で「拍子」を感じる
では、具体的に解説していきます。
この楽譜をみてください。
「メリーさんのひつじ」です
これは、4拍がひとまとまりになって進んでいます。
このような拍子を
といいます
音を聞いてもらうとわかりますが、4つごとに強い拍があります。
この強い拍を意識することで、ノリというものを感じることができます。
続いてはこちら
「ぞーさん」です
こちらは、3拍がひとまとまりになっています
このような拍子を
といいます
こちらは3拍ごとに強い拍がありますね。
だいたいの曲はこの4拍子・3拍子で作られています。
4拍子と区別することがむずがしいですが、
という拍子もあります。
拍子が違うと不自然に聞こえる?
「メリーさんのひつじ」を3拍子のカウントにあわせてみました。
こちらが4拍子カウント
どうでしょうか?
3拍子だと少し不自然に聴こえませんか?
4拍子の方が自然に聴こえると思います。
今度は「ぞーさん」を4拍子のカウントに合わせてみました。
こちらの方がわかりやすいかもしれません。
ちょっと、変な感じです。
こちらが、3拍子カウント
「あ、これこれ」という感じがすればいいのですが、どうでしょうか?
このように、拍子は曲に重要な要素だということがわかります。
他にも拍子の種類はありますが、
わかりやすく基礎の部分のみにしますので、今回は省略します。
指揮を見れば拍子がわかる
こちらの動画をご覧ください。
これは、合唱の指揮について解説している動画です。
「基本」という方を見てもらうと、
4つがひとつのまとまりとして表現されているのがわかると思います。
4つがひとまとまりなので、
この曲は
になります。
では、下の図を見てください。
この図は、指揮をする手順を図で表したものです。
数字と同じ色で塗っている部分が、拍を表しています。
※基本的に上から振り下ろします
このように、それぞれの拍子が指揮を見てわかるようになっています。
拍と拍子がない演奏方法
興味がなければ、とばしてもらって構いません。
音楽には「Cadenza カデンツァ」という表現があります。
まず、こちらの動画を最初の3分ほど聞いてみてください。
全部聞くと40分あります・・・
ベートーヴェン 「ピアノコンチェルト5番より」
実はこの曲、最初のピアノの部分
楽譜上では拍と拍子の指定がなく、小節線のない楽譜になっています。
そのため、この部分の演奏は人によって速さは様々です。
※小説線に関しては別記事で解説します。
また、別の演奏の動画も貼っておきます。
どうですか?
聴いてみて、似たような感じもしますが
辻井さんの演奏の方が早めで、あっさりした印象があります。
演奏者によって速さが変わる自由さがカデンツァの魅力です。
音楽表現の1つでとして知っておくといいと思います。
まとめ
今回も、初心者さん向けにできるだけわかりやすく解説してみたつもりです。
記事を読むのは数分ですが、わからないところは何度も読み返したり、
自分でさらに調べてみて理解を深めていきましょう。
そうすれば、苦手だったリズムもわかるようになります。
もちろん、私の方に直接質問してもらっても構いません。
また、今後YouTubeでの音声解説も作成予定です。今しばらくお待ちください。
最後に、重要なポイントをまとめておきます。
参考文献
記事を書くにあたり、以前勉強に使っていた本をもう一度読み返してみました。
書いてある日本語が少しむずかしいですが、初心者さんから音大受験の方まで幅広く活用できる本だと思います。
通称「黄色い本」と呼ばれています。
音楽之友社「新装版楽典 理論と実習」
という方にはこちらをどうぞ
ベートーヴェンが解説してくれる楽典の本です。
内容は本格的なのに、漫画でわかりやすく解説している本です。
譜例の音源もCDでついています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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